2026.06.05
社長日誌こんにちは。crulibの加納優希です。
私たちは、マンションの価値に目を向け建設と不動産、両方の知見から考えながら、次の世代へ気持ちよく住み継いでいける形をつくっていくことを目指しています。
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その中で、マンションオーナーの皆さまに向けて、日々の維持管理やちょっとした判断のヒントになるような「処方箋」として、お役に立てる情報をお届けしています。今回は、予防措置についてお話したいと思います。

賃貸マンション経営という長い目でみた事業運営において、オーナーの皆さんが直面する最大の経営リスクとは何でしょうか。
空室リスクや家賃滞納もさることながら、実は「建物の早期腐食化」とそれに伴う「突発的な修繕費の支出」こそが、収益性に大きな影響を及ぼす可能性があります。
多くの現場では、漏水や設備の故障が起きてから対処する「事後保全」が常態化していますが、これは経営の観点からは極めて非効率です。私たちは、この流れを計画的な「予防措置」へと転換し、リスクを先読みすることで、キャッシュフローの安定と建物の長寿命化を同時に実現することをご提案しています。
「まだ壊れていない設備に費用をかけるのはもったいない」と感じるのはごく自然なことです。しかし、事後保全がもたらす代償は大きく、結果として予防措置にかかるコストをはるかに上回るケースも少なくありません。
直接的・間接的コストの増大
突発的なトラブルは常に「特急料金」を伴います。例えば漏水が発生した場合、階下への被害補償や入居者の仮住まい費用など、本来不要だった多額の支出が重なります。
入居者から選ばれにくくなり、物件価値が低下する
設備トラブルの頻発は入居者の満足度を下げ、退去を加速させます。「管理の悪い物件」という評判は募集時の成約率を下げ、賃料の下落圧力を強める結果となります。
不具合の放置による修繕範囲の拡大
目に見えない小さな劣化は見過ごされがちですが、放置することで影響が広がる場合があります。その結果、当初は比較的少額の補修で済んだ不具合が、大規模な修繕や構造補強工事へと発展し、想定以上のコストが発生することもあります。
計画的な修繕で建物を長持ちさせる
予防措置としてのメンテナンス、特に「適切なタイミングでの大規模修繕」は、建物の物理的な寿命を劇的に延ばします。
コンクリート造の建物であっても、防水層の劣化や外壁のクラックを放置すれば、内部の鉄筋が錆び、建物の強度は著しく低下します。劣化が深刻化してから修繕を行うか、早期に適切なメンテナンスを実施するかによって、30年後、50年後の建物の健全性や資産価値は大きく左右されます。
計画的な修繕を繰り返すことで、大規模修繕の周期自体を最適化し、結果として「建物のライフサイクルコスト(生涯費用)」を最小化できるのです。これは、出口戦略(売却)を考える際にも、高い資産価値を維持できているという強力な武器になります。

メンテナンスを「削るべき経費」ではなく、「将来の利益を守るための投資」と捉え直すこと。これこそが、持続可能な不動産経営の第一歩です。
定期的な点検と軽微な補修を計画的に行う「リスクの先読み」ができる体制があれば、オーナーは目先の小手先の対策に惑わされることなく、10年、20年先を見据えた健全なキャッシュフローを維持できます。
crulibは、自らの失敗や苦い経験をもとに培った知見から、同じ立場であるオーナーの皆さんが同じ轍を踏まないようにと願っています。私たちが目指すのは、単なる建物の管理ではありません。オーナーの皆さんの資産を次世代へ健やかにつなぐための、戦略的なパートナーシップです。
建物の寿命を延ばすことは、地球環境への配慮(サステナビリティ)であると同時に、オーナーの皆さんの手残り資金を最大化する最も賢明な経営判断です。一度損なわれた建物の健康状態を取り戻すには、予防の何倍ものコストがかかります。「リスク先読み」の一手が、将来の大きな安心へとつながります。
クルリブは、既存マンションの価値を高め安心して住み継ぐための相談窓口です。空室対策、賃料改善、修繕・リノベーション計画まで、不動産と建設の専門視点で最適な運用をご提案します。
よくあるご質問
みなさまから日頃よく寄せられるご質問を
Q&A形式でご紹介しています。
大規模修繕工事とは何ですか? なぜ必要ですか?
マンションを適切に維持し、快適な居住環境と資産価値を保つためには、保守点検と修繕が重要です。修繕には性能・機能の劣化の度に行う小修繕と、一定年数の経過ごとに計画的に行う計画修繕があります。小修繕は定期的な点検により、設備の異常を早期発見し劣化した部分を修理・交換して性能・機能を回復させます。計画修繕は予め設定した長期修繕計画に基づき、工事前に調査・診断を行い、建物各部の傷み具合に対応した有効な修繕設計を行い工事内容を確定します。計画修繕では、工事の効率性を高めるため、複数項目をまとめて実施するケースが多く、12~15 年程度の周期で実施することが一般的です。
メンテナンスとリノベーション(改良)の違いがよくわかりません
住環境の向上を目的とする工事を「リノベーション(改良)」と呼び、メンテナンス(改修)とリノベーションを組み合わせ建物全体の性能を改善する工事を「改修工事」と定義されています。高経年のマンションの質と価値を最適に保持するためには、修繕による性能の回復だけでなく、居住者の現在の生活水準に見合った性能向上、すなわちリノベーション(グレードアップ)が必要です。「改修工事」を適切に実施することで、建物の物理的老朽化だけでなく居住環境の陳腐化を抑制できます。
修繕計画は必要ですか?
マンションをできるだけ長く適切に維持管理していくために修繕計画は必要です。点検・検査・診断により、建物の経年による劣化状況等の不具合や問題点を明らかにし、具体的な修繕実施のための中短期計画を作成、実績を見ながら目安として5年ごとに長期修繕計画を見直していく必要があります。
大規模修繕工事やリノベーションはおよそ築何年で実施しますか?何回くらい必要ですか?
建物の状況にもよりますが、15年〜20年程度で実施することを推奨します。築30年を超えると、居住環境の魅力や価値が低下し、時代に合わなくなるケースが多いので2回目はメンテナンスとリノベーションを同時実施が効率も良く効果的です。計画的にメンテナンスを同程度のピッチで実施し、長寿命化を図ります。
※国交省の推奨は12年~15年毎
どれくらいの費用がかかりますか?
建物の規模や状況、劣化具合で異なりますが、国交省のデータによると工事回数別の工事金額は4千万円~6千万円(1回目)の割合が最も多く、2回目及び3回目は6千万円~8千万円の割合が最も高くなります。(税抜、共通仮設費は含みません)